・RSウイルスについて
RSウイルスは生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%が感染するウイルスです。
乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%がRSウイルス感染症によるとされています。
RSウイルスに感染すると鼻汁、咳、喘鳴などの呼吸器症状やや哺乳不良を起こし、特に生後6か月未満で感染すると重症化しやすいことが知られています。
これまで新生児や乳児に対するRSウイルスの発症や重症化抑制のための薬は抗体を筋肉注射するシナジス®という月1回の注射のみであり、今年度よりベイフォータス®という年1回の抗体の筋肉注射が使用可能となりましたがいずれも早産・低出生体重児や基礎疾患のあるお子様のみが接種できるのみであり、正期産児や基礎疾患のないお子さんに使用できるワクチンは現在もありません。
・母子免疫ワクチンについて
2024年6月よりアブリスボ®という母子免疫ワクチンが発売となりました。接種対象は
妊娠24週~36週(推奨は妊娠28〜36週)の妊婦さんで、接種することにより母体のRSウイルスに対する中和抗体価を高め、胎盤を通じて母体から胎児へ中和抗体が移行することで乳児における発症を予防します。
日本を含めた世界各国で治験が行われ、接種しない場合と比べて発症を約50%、重症化を約80%抑制できます。
接種による早産の増加や出生した赤ちゃんの異常などの報告はなく、肩への筋肉注射ですが発熱などの副反応報告は少ないです(偽薬と差がみられていません)。
・当院での取扱い開始と費用について
当院では8月19日(月)より取り扱い開始致します。
取り寄せに時間がかかる場合がございますため電話での予約とさせていただき、1週間前までにお電話ください。
料金は30,000円(税込)とさせていただきます。ワクチン納入価もあり高額となってしまいますが、接種可能な妊婦さんはぜひご検討ください。
予診票は当院にございますので持参は不要ですが、ワクチン接種記録が必要となりますので母子手帳の持参をお願いいたします。
つきだてこどもクリニック
院長 髙橋 俊成